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2012/03/03

姿を消す「キャリア官僚」試験

国家公務員の今春の採用試験から、「キャリア」を生んできた1種試験が姿を消す。とかく評判のよくない「キャリア制度」の廃止を目指す行政改革の一環だ・・・。</p> <p> 2012年度から新たに実施される採用試験は、I種、II種、III種の区分を廃止し、政策の企画立案能力を重視する「総合職」、的確な事務処理能力を見る「一般職」、特定分野の専門的知識を重視する「専門職」、民間企業の勤務経験などを持つ「経験者採用」の4試験体系に変わる。</p> <p> 東大など主要大学が検討している秋入学に対応する部分もある。院卒者(法務区分)と大卒程度(教養区分)は秋に試験を行う。</p> <p> 新しい採用試験は、08年に成立した国家公務員制度改革基本法に基づき、「キャリア制度の弊害」を取り除く目的がある。だが、実は、キャリア制度に明確な定義はない。</p> <p> 一般的には、「各省庁がキャリア(I種試験合格者)を幹部候補として年功序列で育成・昇進させる人事慣行」を指している。入省時から幹部になる経験を積ませられる利点もあるが、次のような批判があった。</p> <p> 「キャリアは仕事ができなくても課長級までほぼ横並び昇進するのに、ノンキャリアは能力があっても昇進が困難だ」「出世のため、国益より省益を優先する『縦割り行政』を生んでいる」「次官の同期入省者が『肩たたき』で退職し、天下りの温床となっている」</p> <p> つまり、試験に1回通っただけで、自動昇進などの特権を得ることが、キャリア制度の弊害とみられてきたわけだ。</p> <p> 新しい採用試験は、それだけですべての弊害を解消できないにしても、解消の一助にはなるだろうか。</p> <p> 「I種が総合職に衣替えするだけで、総合職が事実上のキャリアになる」という指摘もある。採用後の人事評価は各省にゆだねられるため、肩たたきや天下り解消につながるか、まだ分からない。</p> <p> そのため、人事院の有識者会議は09年、総合職の採用規模をI種の600人程度より増やし、最大1000人程度とするよう求めた。課長級以上のポストは10年度末で2321ある。全員が課長級ポストに就けない人数を採用すれば、能力・実績による選抜が徹底される、という理屈だ。</p> <p> ただ、合格者が水ぶくれして総合職の魅力が薄れれば、優秀な人材の「官僚離れ」を招きかねない。</p> <p> 人事院が昨年11月に開いたシンポジウムで、フランスの幹部公務員(キャリア)を養成する国立行政学院(ENA)のブコー学院長の言葉に会場がわいた。</p> <p> 「やはり、国の最も優秀な人材が行政に向かってほしい。営利ではなく国民に奉仕する仕事なのだから、何が何でもいい人材を引きつけるべきだ。我々の将来にも関わってくる」</p> <p> ENAの入学試験は超難関で、学内の競争も厳しく、卒業生は社会で大きな影響力を持つ。シラク前大統領ら大統領2人、首相8人、閣僚80人を輩出しているが、卒業生の8割は生涯を公務員として務めるという。</p> <p> 日本でも、総合職の合格者が尊敬されるような社会が望ましいといえる。もちろん、合格しても身分に安住することなく、国と国民に対する強い奉仕の意識を持ち続けることが大前提だ。</p> <p> キャリア制度の弊害を解消しつつ、優れた人材を公平かつ厳しく選抜する―― 新しい採用試験が二つの目的を両立できるか、見守りたい。</p> <p>(2012年3月2日 読売新聞)

(続きを読む)(読売新聞120302)(東京都発行東京都職員採用情報第73号110708より転載許諾済)(人事院発行国家公務員試験採用情報ニュース第118号120201より転載許諾済)

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┃公務員情報┃
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│■国家公務員採用試験案内 (人事院管轄)
│■国家公務員採用試験案内 (人事院以外)
│■地方公務員採用試験案内 (㈶地方自治情報センター)
│■平成24年度からの採用方法の概要、Q&A (防衛省)
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