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2011/01/17

就活最前線 再び閉じる女子への門戸

女性に開かれた企業の門戸が再び狭まり始めた。今春の入社を希望しているのに就職先がまだ決まらない女子大生が目立つ。男子にもつらい就職氷河期。女子にはさらに厳しく、ここにきて格差がつき始めているようだ。すでに大手企業の内定式は終わっているが、それでも続く彼女たちの就職活動の現場を追った・・・。</p> <p>■入社式まで三ヵ月 決まらない就職先</p> <p><br />  1月13日。日本女子大学は東京・目白のキャンパスで中央大などと共同の就職説明会を開いた。すでに就職戦線がスタートした2012年春入社のためではない。残り3カ月を切った2011年春入社のための説明会だ。電子機器メーカーや商社など20社がブースを構え、なかには「1月中に内定を出します」と張り出す企業もあった。</p> <p> 集まった学生は40人。まだ就職先が決まっておらず、みな深刻な面持ちだ。日本女子大4年のAさんはその一人。</p> <p> Aさんは3年生の12月から、もう1年以上も就職活動を続けている。商社が第1志望で履歴書を送った企業は約80社。「落ちすぎてもう自信がない」。それでも「卒業論文も提出したので留年はできない。派遣社員にはなりたくない。何とか正社員で探したい」と説明会にやってきた。企業のブースを見渡すと「なかなか行きたい企業はないですね」とため息をついた。結局、良縁はなく、会場を後に。学生向けのハローワーク通いなどを続けるという。</p> <p> Aさんだけでなく、就職先が決まらない女子の大学生が目立っている。例えば都内の実践女子大では約300人(1月4日時点)、東京女子大では約250人(12月22日時点)とそれぞれ全体の3割程度の学生でまだ就職先が決まっていない。実践女子の場合、2008年度の内定率は94%と高水準だったが、今年度は最終的に74-80%にまで急低下する見通しだ。大学向けに就職支援を手がけるクオリティ・オブ・ライフ(東京・千代田)の常見陽平チーフプランナーは「今年度について言えば内定率70%台はまだ高い方。40%台の大学も珍しくない」と説明する。</p> <p>■男子よりも落ち込む内定率</p> <p></p> <p>10月1日時点の4年制大学の男女別内定率の推移(文部科学省調べ)<br />  文部科学省の調べでは、大手企業の内定式があった昨年10月1日時点での女子の大学生の内定率は55.3%(前年比6.1ポイント減)。ピークとなった08年の70.1%から2年連続で大幅減となった。男子の大学生も内定率が59.5%と厳しいが、前年比は3.8ポイント減にとどまる。</p> <p> 実は08年には女子の内定率が男子をわずかながら上回っていた。就職情報誌リクナビの岡崎仁美編集長は「多様な人材を活用するダイバーシティ(多様性)を推進する企業が増え、08、09年は女性活用ブームだった。女性採用を増やすと言っていた経営者も多かったが、状況が変わってきた」と話す。</p> <p> 「自分は必要のない人間なのかと悩んだ」。早稲田大に通うBさんは食品業界に絞って20社あまりを受験したが、全敗。すでに就活イベントの中心は3年生向けに変わり、焦りが募って、浮かない毎日を過ごす。受験する企業が増え、写真代や交通費もばかにならず、「最近は履歴書を書こうにも志望動機が思いつかない」と悩む。</p> <p> 内定率の低下に伴い、Bさんのように、先の見えない就活に苦悩する女子大生も増えている。大学側は就職相談だけでなく、「心のケアも必要になっている」と東京女子大の担当者は説明する。学生の悩みの相談に乗るキャリアカウンセラーを昨年の1人から3人に増員。週2回だった相談日も4回に増やしたという。</p> <p> なぜ、ここにきて女子の採用が男子に比べても厳しくなっているのか。</p> <p> 一つの理由として、大学のキャリアセンターの担当者らは一般職の求人が減ったことを挙げる。</p> <p> 転勤がない場合が多く、事務作業などが中心の一般職は女子学生の主な雇用の受け皿となってきたが、ここ数年は狭き門になっている。例えば三井住友銀行の場合09年4月入行は1128人も採用したが、今春入行予定者は140人にまで減った。派遣社員に切り替えて全く採用しない企業もある。</p> <p>■一般職は求人減 総合職も女子に厳しく</p> <p></p> <p>大学生・大学院生の求人状況<br />  女子の中には一般職を志望する学生がなお多く、雇用のミスマッチが生じている面もある。実践女子大キャリアセンターの宇井節子部長は「一般職志望は本人以上に保護者の意向が強い」とも指摘する。実家から通えて転勤のない仕事を望む父母が多いのだ。同キャリアセンターでは保護者にも就職活動への理解を深めてもらうため、全学生の父母を対象に面談を実施しているという。</p> <p> では、転勤などの可能性もある総合職はどうか。</p> <p> 実際に就職活動に取り組んだ女子学生からは「総合職でも男性以上に女性に対する厳しさを感じた」という声が聞こえてくる。</p> <p> 「女性だとなめられるから営業要員として配属できない。いらないんだよね」。ある学生は建機メーカーの面接でこう言われ驚いた。別の学生は食品メーカーが説明会で提示したキャリアプランに目を疑った。「男性は営業や商品開発など順調にステップアップするのに、同じ総合職でも女性は間接部門を転々としていた」。このほかにも「面接が進むに従って女子の比率が減っていく」と指摘する声が多かった。</p> <p> 運輸業界の大手企業の人事担当役員は「筆記試験や面接などの成績順で採用したら8割が女性になる」と明かす。男子学生に「元気さ」などを加点して選考通過者が男女半々になるように調整すると打ち明ける。それでも優秀な男子は他社との奪い合いとなり、男性が不足しがちになるのだという。</p> <p> 優秀な人材であっても女子の採用を抑制することについて、リクナビの岡崎編集長は「企業のコスト切り詰めとグローバル化に原因がある」と指摘する。</p> <p> 岡崎編集長によると、女性は男性と比べ出産などで長期間離脱する可能性が大きい。休職中の代替要員を確保するなど管理職の負担も大きく、復職後も勤務時間などが制限される場合がある。「企業は表立っては言わないだろうが、女性の方が男性よりもコスト増になると思っている」という。景気の先行きが不透明で、コスト削減を進める企業は男性の採用を優先しがちになるというわけだ。</p> <p>■国際化、厳選採用…強まる逆風</p> <p><br /> 就職説明会には多くの女子学生が参加する<br />  事業のグローバル化も女子の採用に影響を与えているようだ。</p> <p> 自動車メーカーの新興国進出に合わせ、中国やタイなどへ営業を強化している東証1部上場のある自動車部品メーカー。その人事担当役員は「発展途上国への出張も多くなっており、事件に巻き込まれる可能性もある。危険を伴う場所に女性を送り込みにくい」として、女性採用に及び腰になると語る。韓国では酒を酌み交わす接待が多いなど、危険な地域でなくても風習の違いで女性を海外に送りづらいとこぼす。</p> <p> 厚生労働省によると男女雇用機会均等法も「風俗や風習の違いにより働きづらい海外は除外する」ことを運用の基本としている。危険などの事情がある場合は、男女を区別しても法律上も問題がないわけだ。</p> <p> 事業活動のグローバル化が進めば外国人の採用も増える。パナソニックは11年入社の採用で、国内での新卒の定期採用を4割減らす一方で、海外での採用は4割増やす。通年で合計1390人の採用のうち海外が1100人を占める。「ユニクロ」の海外出店を進めるファーストリテイリングは新卒採用の半数を現地の外国人採用にする計画だ。</p> <p> 国内は厳選採用が進み、限られた採用枠の中では転勤や海外勤務、接待などに駆り出しやすく、「コスト安」の男性が優先される――こんな構図が就活戦線の実態として浮かび上がる。</p> <p> ここ数年、企業が取り組んだダイバーシティの流れは経営環境の変化によって変わってしまうのか。</p> <p> 多くの企業が入社式を開く4月1日は男女雇用機会均等法が施行されてちょうど25年。これまで着実に女性の登用は進んできたかに見えた。四半世紀を経て、企業は男女平等の本気度が問われる時を迎えている。</p> <p>(西雄大)<br /> 2011/1/17 7:00

(続きを読む)(日本経済新聞110117) ※ログインが必要です
(東京都発行東京都職員採用情報第59号110114より転載許諾済)(人事院発行国家公務員試験採用情報ニュース第91・92合併号101228より転載許諾済)

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