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2009/09/14

脱官僚:先進国は ドイツ/英国(毎日新聞090914)

16日発足する民主党政権の最大の売り物は「脱官僚」。自民党政権は官僚が主導権を握っていたとして、政権交代を機に「革命」的な転換を図るとしている。日本と同じ議会を通じて選ばれた首相が政治のトップを務める英独両国では、政権交代の度に「政と官」の関係をどうコントロールしているのだろうか。それぞれの仕組みと近年の実情を紹介する・・・。【ロンドン笠原敏彦、ベルリン小谷守彦】</p> <p> ◆ドイツ</p> <p> ◇「一時更迭」制度で政官の対立を防止<br />  ドイツでは官僚の政治力が行き過ぎたものにならないよう、大臣が「政治官僚」と呼ばれる高位の公務員に対し、給与を補償する代わり理由を告げずに一時退職を求めてよい制度が公務員地位法により確立されている。</p> <p> 「官」が「政」に従うことで政官対立を起きにくくする制度で、内務省によると、政権交代が起きた場合、大臣は約1年以内に7割近くの政治官僚を入れ替えている。</p> <p> 政治官僚とされるのは、事務次官、局部長、報道官、人事課長などのポスト。外務省では大使も対象になる。</p> <p> ドイツの官僚はかつて、若いころから所属政党を明らかにしないと出世できないと言われ、現在もその傾向は残っている。</p> <p> 大臣は就任するとまず、ライバルの政党に所属する事務次官を更迭することが多い。ただし、大臣と所属政党が同じ次官も何人も更迭されており、党派性より相性が重視される場合が多いようだ。局部長には、さまざまな政党員がとどまることが普通になっている。</p> <p> もっとも、最近は政治官僚も無党派化が進み、学術調査によると、事務次官の6割弱が党籍を有していない。</p> <p> ボッフム大学のエビンガー研究員(行政学)は「一時退職制度のおかげで政官の対立は起きていない。(給与補償の)コストはかかるが、ある種の文化と言えるまでになった」と評価する。しかし、エビンガー氏によると、一時退職の通告件数は長期的に増え続けており、大臣が権限のない下級官僚人事にまで口出しするケースも多いという。人事異動の理由は公表されないため多くの場合、表面化しないのが実態という。</p> <p> ◆英国</p> <p> ◇政治的中立と黒衣に徹底 官僚軽視に反発も<br />  英国の政治家と官僚の関係を描いて80年代に大ヒットしたBBCの風刺コメディー「イエス ミニスター(かしこまりました 大臣)」。官僚に操られがちな新任大臣ハッカー氏は、野党の前大臣とこんな会話を交わす。</p> <p> 新任大臣「官僚の抵抗を抑える良い方法はないものかね」</p> <p> 前大臣「それを知っていたら、野党になんかなってないさ」</p> <p> そして、ハッカー氏は嘆いてみせる。「野党とは反対勢力ではなく、追放された政府である。官僚こそ真の反対勢力だ」</p> <p> 民主党が「脱官僚」へのモデルと見る英国の事情も、一皮むけば決して単純ではない。しかし、英国の官僚は公務員規則で「政治的中立」と「黒衣」に徹することを求められており、日本とは大きく事情が異なる。</p> <p> 英国の官僚が接触できるのは、所属する省の大臣や「下級大臣」(閣外大臣、政務次官ら)に限定されている。そのため与野党議員への根回しといった政治的な仕事は一切せず、記者会見も原則行わない。不文律として、官僚が国会議員に転身することもまれだ。</p> <p> 財務副次官や雇用事務次官を務めたニコラス・モンク氏は、官僚の役割を「政策決定プロセスを構築し、閣僚に厳格な分析と偏見のない助言を与えることだ」と端的に指摘。予算編成では「目標とするシーリングは財務相らに助言するが、何で合意するかは財務省と各省の大臣の協議次第だ」と説明する。</p> <p> 英政府の主要な省の基本構造は、大臣の下に4人前後の閣外大臣(各政策分野を担当)と2人前後の政務次官(大臣の補佐)を配置。ブラウン現労働党政権下では、閣外大臣と政務次官を合わせて約110人の与党議員が配置されている。</p> <p> この他、大臣らと議会の「パイプ役」として議会担当秘書官に若手議員が指名され、民間から特別顧問2人も任命。官僚の政治的行為が禁止されているため多数の議員や民間人が政府に入る仕組みになっている。</p> <p> しかし近年、政治任用者の影響力肥大が問題化している。97年のブレア政権誕生以降、首相府の「ポリシーユニット」(政策室)などが強化され、任用される特別顧問が8人前後から25人前後まで急増、首相に権力が集まる大統領制的な傾向を強めているからだ。元官僚らは、閣僚が連帯責任を負うべき内閣制を形骸(けいがい)化させ、官僚軽視だと批判している。</p> <p> 日本の民主党が創設する国家戦略局は、ポリシーユニットをモデルにしたものだ。戦略局を担当する代表代行の菅直人氏は、6月に英国を視察している。</p> <p> モンク元事務次官は「長く野党の立場にあると、少人数の側近からアドバイスを得ることに慣れてしまう。官僚との十分な協議を怠り、適切な分析を欠けば、政策は機能しないだろう」と警告。日本で民主党が「脱官僚」を志向するのとは逆に、本家本元の英国では行き過ぎた政治支配への反発が強まっているのが実情だ。</p> <p>毎日新聞 2009年9月14日 東京朝刊
(続きを読む)(毎日新聞090914)
(東京都発行東京都職員採用情報第18号090807より転載許諾済)(人事院発行国家公務員試験採用情報ニュース第58号090728より転載許諾済)

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