大詰め・公務員改革:インタビュー/下 甘利明・行革担当相(毎日新聞090214)
◇時代に沿った再配置必要
--人事院が持つ「級別定数管理機能」を、内閣人事・行政管理局(仮称)に移管させることの意義は。
◆国家公務員制度改革基本法は、人事院などからの一部機能移管を明記している。移管対象は何かという質問に、渡辺喜美元行革担当相はかつて国会で「級別定数管理機能だ」と明確に答えた。この答弁に基づき、顧問会議が具体設計をした。従って、人事院が移管を基本法の枠外と言うのは偽りだ・・・
--人事院が持つ「級別定数管理機能」を、内閣人事・行政管理局(仮称)に移管させることの意義は。
◆国家公務員制度改革基本法は、人事院などからの一部機能移管を明記している。移管対象は何かという質問に、渡辺喜美元行革担当相はかつて国会で「級別定数管理機能だ」と明確に答えた。この答弁に基づき、顧問会議が具体設計をした。従って、人事院が移管を基本法の枠外と言うのは偽りだ。
基本法は社会経済情勢の変化に対応できる公務員制度改革をうたった。世の中の変化に対して、政府が機動的に課題を解決するため、ポストを省を超えて、需要に応じて、再配置ができることが一番大事だ。機能の移管はそのために必要だ。
--内閣法制局長官は移管について「憲法上許容されないことはない」と答弁した。一方、人事院側は「憲法問題」との主張を続ける方針だ。
◆人事院総裁は、私と話した時は「憲法に抵触する可能性に」と言及した。今回、法制局長官が移管は違憲ではないとの判断を下した。すると、「『憲法に抵触する』と言った覚えはない。『憲法にかかわる』問題だ」と言い回しを変えた。憲法にかかわるからけしからんというのは、国民に対しても意味の通らない主張だ。
--人事院の反対は政府内の亀裂とも見られているが。
◆人事院は、政府の一員であることは間違いない。法案作成までの間に意見を言うことはいい。しかし、政府の決定について、国会の場でまで反対するのは、内閣に任命された一人として逸脱した行為だ。麻生太郎首相は決定した工程表に沿って調整を進めてくれと要請をした。しかし、人事院は一般論として「憲法にかかわる」としか言わない。具体的にどう問題なのか、明示してほしい。
--国会での野党との協議の可能性は。
◆与野党協議は、政府が主催するものではない。ただ、与野党で協議をした結果、政府提案の法律に修正要求が出されれば、政府としては尊重する。議事録にも残っているが、民主党も級別定数機能の移管は非常に大事な改革の柱だと言っている。いずれにせよ、今の公務員制度は制度疲労を起こしている。21世紀型に変革しないと、日本が世界から取り残される危機感がある。しかし、今までは人事院に阻まれて、何十年間も時代が求める新しい制度に更新できなかった。今度こそは改革は進めないといけない。【聞き手・塙和也】
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■ことば
◇級別定数管理機能
課長職以下の国家公務員の給与は10~1級に分かれており、級別の定員数を人事院が決めている。これを級別定数管理機能と呼ぶ。同じ課長職でも給与は10~8級に分かれており、人事院は級別定数は勤務条件にかかわると主張している。
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■人物略歴
◇あまり・あきら
72年ソニー入社。83年衆院初当選。労相、衆院予算委員長、経済産業相などを経て08年9月から現職。当選8回。59歳。
毎日新聞 2009年2月14日 東京朝刊
(続きを読む)(毎日新聞090214)
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