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2008/02/04

公務員制度改革 社説

『公務員改革 「骨抜き法案」は駄目だ』 公務員制度改革の最終報告がまとまった。国民ないがしろの「政と官のなれ合い」をいかに正すかが焦点だった。が、抵抗に遭って後退したのが気になる。法案化過程でのさらなる骨抜きはご免だ・・・。「政治家と官僚の接触がずぶずぶになると『官僚内閣制』になる懸念がある」-。渡辺喜美行政改革担当相は先日の衆院予算委員会で「政と官」の問題点をこう認めた。官僚は法案の事前説明などで日常的に政治家と面会。政治家も根回しを受け入れる一方、自らの利益誘導に影響力を行使する。そんな持ちつ持たれつの不透明な関係を断ち、官僚主導から政治主導のシステムに転換させるのが改革の主眼だった。有識者でつくる政府の「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」は当初、英国に倣って政治家と官僚の接触を原則禁止する意向としていた。政策決定に当たっては、官僚に頼ることなく、あくまで政治の側が主導権を握る英国型が望ましいとの考えからのようだ。だが、“当事者”である与党の族議員や官僚らの反発を受けて「厳格な接触ルールを確立し、政官の接触の集中管理を行う」と、辛うじて接触制限に言及するだけになった。国会議員が国民の声を政策に反映させる上で、官僚と意見交換すること自体に私たちも異論はない。問題は節度だ。「ずぶずぶ」の関係にどっぷり漬かれば、口利きなどの不正が起きやすくなる。疑惑の目を向けられないためにも、一定の歯止め策を講じるのは当然のことだ。政治家と官僚側は、接触の制限さえにも不満を持っているという。手前勝手なルールをつくらせないためにも、具体策については専門学者らの十分な吟味が不可欠だろう。報告書には、幹部が固定化するキャリア制度の廃止や、人事を一元的に管理する「内閣人事庁」の創設など、官僚機構に歓迎されない内容も盛り込まれた。「各府省が公務員共同体化し、仲間利益の優先などに陥っていることこそ最大の問題だ」との指摘を重く受け止めるべきだ。気がかりなのは「遅くとも五年以内に改革を実施する」としたことだ。そんなに悠長でいいか。公務員制度改革の議論は安倍前政権下で始まったが、官僚寄り批判のある福田康夫首相には熱意が感じられない。「改革後退」が政権のキーワードになるようでは困る。陣頭に立つよう繰り返し求める。公務員の守秘義務違反で罰則強化などが盛り込まれた点については、報道の自由を制限することのないよう、クギを刺しておく。
(続きを読む)(中日新聞080204)

『公務員改革提言 首相の本気度が問われる』 「死に至る病」ともされる官僚機構を効率的で活力のある組織に立て直すにはどうすべきか。国家公務員制度の抜本改革に向け、政府の有識者懇談会がまとめた最終報告書からは、そんな現状への強い危機意識がくみ取れる・・・。官僚組織の硬直化、自己増殖化は深刻だ。政治の不在もあり、行政の枠を超えて立法分野まで仕切るほどの強大化・肥大化ぶりである。これが目に余る「天下り」の横行や政・官癒着を生み、結果的に国費の乱費をもたらす構造につながっている。報告書は、各省縦割りの硬直した人事制度を排除するための「内閣人事庁」創設とキャリア制度の抜本的な見直しに加え、「政・官の接触」を厳しく制限するよう求めている。人事庁の創設は、官民交流も含め、国家公務員の採用・配置を政府が一元管理することで、人材の効率的活用を図るのがねらいだ。採用時から幹部候補を決める硬直的なキャリア制度にもメスを入れ、徹底した能力・実績主義の導入を求めている。国会議員と官僚の接触については、当初は完全禁止を求める意見もあったが、最終報告では、閣僚、副大臣、政務官と一部の「政務専門官」を除く「原則禁止」の方針が盛り込まれた。現実的判断といえよう。公務員制度の抜本改革には、既得権益を奪われる官僚側はもちろん、官僚との癒着で利権を得る与党の族議員らからも強い抵抗がある。このため、通常は官僚が行う報告書の起草も、今回は懇談会の委員自らで行うという異例の手法がとられた。その報告書は近く福田康夫首相に提出され、政府は3月上旬に改革の大枠となる「国家公務員制度改革基本法案」(仮称)を今国会に提出する段取りである。だが、気になるのは肝心の首相から公務員改革への決意が一向ににじみ出てこないことだ。懇談会は安倍晋三前首相の強い意向で発足したものだが、安倍氏辞任後の会合に福田首相は一度も出席せず、報告書も予定から2カ月も遅れた。今後の焦点は、報告内容を政府がどこまで法案に具体化させるかだ。仏はつくったものの、魂が入らないのでは意味がない。改革への首相の本気度と指導力が問われている。
(続きを読む)(産経新聞080204)

『公務員制度改革 官僚社会の活性化を図らねば』 公務員制度改革の一応のデザインは示された。問題は、今後、法案化などを通じて、具体化へ道筋をつけることができるかどうかだ。政府の「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」が、改革の方向性を示す報告書をまとめた・・・。内外の環境が激変し、従来の行政の仕組みのままでは的確に対応できない。行政システムを支える公務員の制度改革は、避けられない課題だ。報告書もそうした認識に立っているのだろう。1種試験採用者を幹部に登用するキャリアシステムの廃止や内閣人事庁の創設など、従来の改革案にはない項目が並んでいる。だが、本当に実効があがるのかどうか。疑問な点もある。具体的な制度設計は、これからの課題だ。例えば、キャリアシステムの廃止だ。大卒者対象の試験は、総合職、一般職、専門職に改める。各府省の幹部候補生となる総合職は、新設する内閣人事庁が一括採用し、各府省に配属するという。1種採用者というだけで、年功序列、横並びで昇進、昇給し、幹部ポストが約束されている現状のままでは、組織が硬直化し、活力が損なわれる。報告書は、採用区分が「将来の昇進や身分の保障を意味するものではない」とし、総合職の幹部登用には、節目ごとに厳しく再評価して、選抜すると言う。だが、それで現在のあり方が変わるのかどうか。結局、現在の1種が総合職と名前を変えるだけで、実態は現在と変わらないのではないか、と疑問視する声も少なくない。内閣人事庁の構想は、内閣が、各府省横断で人材の育成や活用を一元的に管理するというものだ。機能すれば、縦割り行政の弊害の除去が期待できる。だが、巨大な官僚社会を一元管理するのは容易ではあるまい。本当に機能するような制度設計が出来るのかどうか。極めて難しい課題だ。政府は、報告書に基づき、今後の改革の道筋を定める国家公務員制度改革基本法案を今国会に提出する。報告書は、さらに、内閣人事庁設置法案や、改革実施に必要な関連法案を順次提出し、5年以内に改革を実現するよう求めている。報告書は、首相官邸で重要政策の企画立案に当たる国家戦略スタッフの任用や、国家公務員と国会議員の接触の制限なども提言している。報告書のどの内容を基本法案に盛るかは、政府や与党が調整した上での政治判断となる。必要な改革はきちんと進めるという姿勢で対処してもらいたい。
(続きを読む)(読売新聞080204)

『公務員制度改革 これで政官癒着を断ち切れるか』 政府の有識者会議「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」が報告書をまとめた。新設する「政務専門官」以外の国家公務員の国会議員との接触について厳格なルールを設けることや、人事を一元管理する「内閣人事庁」創設を柱としている・・・。一歩前進ではあるが、自民党、官邸、霞が関からの反発を受けて報告書原案から後退した分野もある。これで政と官の癒着を断ち切ることができるのか、心もとない。政府は報告書を基に「国家公務員制度改革基本法案」を策定し、今国会に提出する方針でいる。法案作成段階のさらなる骨抜きは許されない。報告書の原案では閣僚、副大臣、政務官や、閣僚を補佐する政務専門官以外の国家公務員と議員の直接接触は「原則禁止する」とされていた。だが自民党議員らが「自由な意見交換の妨げになる」と反発し、「閣僚の命令による場合に限るなど厳格な接触ルールを確立、政官の接触の集中管理を行う」ことを条件に原則禁止を撤回した。これは事実上の許可制導入で原案から大きく後退したといわざるを得ない。「厳格なルール」をめぐっても議員、官僚に異論は根強い。どこまで法案に反映されるか気がかりだ。報告書は現在の官僚機構に関して「各府省が公務員共同体化し、仲間利益の優先、情報の秘匿、無責任無懲罰状況に陥っている」と批判した。そして縦割り行政の弊害除去、各府省横断的な人材育成、活用のために「内閣人事庁」の創設を唱えている。新組織は国家公務員の採用試験にもからむ。現行の1・2・3種採用試験を廃止し、大卒対象の資格試験は一般職、専門職、総合職の三種類とする。総合職は内閣人事庁が一括採用し、各府省に配属するとしている。「キャリア」の廃止につながる新制度には霞が関の激しい抵抗が必至だ。1種試験採用者が昇進コースをたどる慣例は一種の身分保障としても、見直しは避けられない。しかし新たな総合職合格者がキャリアになるのでは改革に値しない。ここでも骨抜きを許してはならない。また報告書は国家公務員の早期退職勧奨が「天下り」の温床になっているとの批判を踏まえ、六十歳定年まで働ける環境整備や、退職後の再任用制度拡充で雇用機会を確保するとしている。うなずける内容であるだけに、さらに踏み込んだ提言がほしかった。公務員倫理の確立に向けては守秘義務の重要性を指摘した。意図的に情報を漏らす「リーク」による世論誘導で国民に重大な損失を与えた場合には「厳格な懲罰を加える」と明記した。しかし、これが報道の自由の妨げになってはなるまい。安倍晋三前首相が国家公務員制度改革基本法案の国会提出を表明したのは昨年五月だった。そして七月に有識者会議を設置した。前首相の突然の退陣で報告書は福田康夫首相に提出される。公務員制度改革への福田首相の意気込みが問われる。
(続きを読む)(愛媛新聞080203)

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